今回はGarnett Silkのアルバム

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「Reggae Anthology: Music Is The Rod」です。

Garnet Silkは92年に「It's Growing」でアルバム
デビューし、その後ヒット曲を連発しジャマイカの
音楽界に衝撃を与えたシンガーとして知られています。
しかし94年に母親とともに火災により死亡しています。

実質的に彼が活躍した期間はわずか3年足らずですが、
それでも彼が高い評価を受けているのは、当時性や暴力
といった「スラックネス」がテーマだったダンスホール・
レゲエの世界に、ルーツ・レゲエの時代から続く
ラスタファリズムの精神を再び復活させたことです。
そのため彼は「Bob Marleyの再来」とまで言われる
高い評価を受けています。

Garnett Silk (ガーネット・シルク)

今回のアルバムは彼の没後10年経った2004年に
VPから発売された彼の2枚組のアンソロジーです。
これを聴けば彼Garnet Silkの残したものは何
だったのか?
その全てが解る内容になっています。

Disc 1は全22曲で収録時間は78分37秒。
Disc 2は全15曲で収録時間は79分57秒。
Disc 2の最後は曲では無くてGarnet Silkへのインタビュー
です。
なので正確に言うとDisc 2は全14曲とインタビューと
いう事になります。

詳細なミュージシャンの表記はありません。

さてこのGarnet Silkですが、「Bob Marleyの再来」と
まで言われる人でありながら、私にはそれまでどこが
良いのかイマイチ掴めない人でした。
彼のアルバムも買っているんですが、その良さが
ハッキリとは解らなかったんですね。
正直なところ曲を聴く限りは他のダンスホール・
シンガーと大きな違いがなく感じられて、なぜ彼が
「Bob Marleyの再来」とまで言われるのか?初めは
理由が解りませんでした。

それがこの間たまたまレゲエ・レコード・コムで
レゲエ・シンガーの歌詞を調べていて、Garnett Silkの
「Keep Them Talking」という歌詞を見て、初めてこの人
の良さが解ったんですね。

ガーネット・シルク(Garnett Silk) - Keep Them Talking - 1994 - リリック

この歌詞は「スラックネス(下ネタ)」を歌う歌手を
批判したものらしいんですが、その言葉は容赦がなく
無茶苦茶厳しいです。
この歌詞に「スラックネス」ではなく、「コンシャス」
に生きる彼Garnett Silkの決意のようなものを感じ
ました。

人の脳というものは、スラックネスではなくコンシャス
の方を、良いものと感じるようにできているようです。
もちろんスラックネスでニヤッとするのは嫌いではない
ですが、心に残る歌を人に聞いた時にスラックネスの
歌を挙げる人ってそんなに居ないんですね。

このGarnett Silkの登場した90年代は、スラックネス
全盛の時代だったようです。
そこにスラックネスを否定し、レゲエの原点回帰を
訴える「コンシャス」なGarnett Silkが現れたので、
すごく人気を集めた人だったらしいです。
ただ敵も多かったのかわずか3年ぐらいの活動歴で、
謎の死を遂げているんですね。
その後も何人ものアーティストがレゲエをコンシャスな
方向に導こうと努力したのですが、残念ながらその夢は
叶っていないようです。

さて今回のアルバムですが、そんなGarnett Silkの
残した曲がまとめられた2枚組のアルバムになって
います。

Disc 1の1曲目「Splashing Dashing」は彼のデビュー当時の
代表曲のようです。
5曲目「Jah Jah Is The Ruler」は、あのMoodiscのHarry
Moodieの代表曲「Drifter」のリディムです。
6曲目「Mama」、7曲目「Hello Africa」、10曲目
「Oh Me Oh My」も彼の代表曲のようです。
12曲目「It's Growing」は彼のデビュー・アルバムの
表題曲。
16曲目もレゲエレコード・コムにリリックが載っていた
ので、代表曲のようです。
そして18曲目が私がその詩に感動した曲「Keep Them
Talking」ですが、これはAswadの代表曲「Love Fire」の
リディムが使われています。
21曲目「Everything I've Got」の熱唱は、このアルバム
の中でも特に印象的です。

Disc 2の5曲目「Complain」は、デジタルのダンスホール期
のKing Tubbyのヒット曲「Tempo」のリディム。
12曲目「Zion In A Vision」も彼の代表曲のようです。
最後のGarnet Silkのインタビューは、正直なところ英語が
解らないとちょっと退屈です…(笑)。
まあ今回はアンソロジーという事で、彼の肉声が聴けるのは
ファンにとっては貴重でしょう。

わずかの期間しか活躍出来なかったGarnett Silkですが、
それでもそれでもレゲエを正しい方向に導こうとした事は
今でも高く評価され、多くのスラックネスの歌手が忘れられ
ていく中で、今でも愛される歌手であることは間違い
ありません。
歌手として、人間として、どういう生き方が正しいのか?
それは彼自身が証明しているのではないでしょうか。

機会があれば聴いてみてください。

Garnett Silk "Its Growing" Live 1992



○アーティスト: Garnett Silk
○アルバム: Reggae Anthology: Music Is The Rod
○レーベル: VP
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 2004

○Garnett Silk「Reggae Anthology: Music Is The Rod」曲目
Disc 1
1. Splashing Dashing
2. Lord Watch Over Our Shoulders
3. Kingly Character
4. Every Knee Shall Bow feat. With Cocoa T and Charlie Chaplin
5. Jah Jah Is The Ruler
6. Mama
7. Hello Africa
8. Like A Mother (A Degital B Production)
9. Nothing Can Divide Us
10. Oh Me Oh My
11. Commitment
12. It's Growing
13. Mystic Chant
14. Bless Me
15. Love Is the Answer
16. Lion Heart
17. See Bimbo Ya
18. Keep Them Talking
19. I Am Vex
20. Blessed Be The Almighty
21. Everything I've Got
22. Place In Your Heart

Disc 2
1. Slave
2. Disadvantaged
3. Retreat Wicked Man
4. Fight Back feat. Richie Stephens
5. Complain
6. Christian Soldiers feat. Tony Rebel
7. Music Is The Rod
8. Fill Us Up With Your Mercy (Belly Full)
9. Green Line
10. Harder
11. Man Is Just A Man
12. Zion In A Vision
13. Spread The Love
14. Singing For The People
15. Garnet Silk Interview (Feb. '94)