今回は少し趣向を変えて、Treasure Isleレーベル の
ロックスステディの名曲Dobby Dobsonの「Loving Pauper」
の和訳をしてみました。
この曲はとても素敵な曲なんですが、いろいろなサイトを
探してみても和訳が見つからないんですね。
そこで英語のサイトで歌詞を見つけて、自動翻訳で和訳
したものを解りやすい言葉に置き換えてみました。
英語があまり得意でない私の訳なので、多少間違っている
かもしれませんが、そこは大目に見てください(笑)。


Loving Pauper(恋する貧乏人) - Dobby Dobson

I'm not in a position to maintain you,
the way that you're accustomed to,
私はあなたが慣れている方法で、 あなたを養えるような
立場にはないんだ
Can't take you out to fancy places,
想う場所にあなたを連れていく事もできない
Like other fellows that I know can do,
I'm only able to romance you,
あなたが知っている人たちのように、私はあなたとの
関係をもつことができるだけです
and make you tingle with delight,
そして、あなたを喜ばせる事ができる
Financially, I'm a pauper,
経済的には私はただの貧乏人だ
but when it comes to lovin I'm alright.
けれど愛することに関して私は大丈夫
Alright alright
大丈夫 、大丈夫

Don't show me what you're friends are wearing,
あなたの友達が着ているものを私に見せないで
I really don't want to see,
私は見たくないから
Don't tell me what your friends are buying, girl
あなたの友人が何を買っているか、私に教えないで
'Cause money doesn't grow on trees.
だってお金は木に水をあげるように増える訳ではないから
I got so many patches on my clothes, girl
私の服はつぎはぎだらけで
A hole in the bottom of shoe
わたしの靴は底に穴
Financially, I'm a pauper,
経済的に私はただの貧乏人だ
but when it comes to lovin I'm alright.
けれど愛することに関して私は大丈夫
Alright alright
大丈夫 、大丈夫

Jewels are things I can't buy you, girl,
私はあなたに宝石を買ってあげることもできない
or drive you in a GT car,
そしてGTカーでドライブに連れていくこともできない
If you're hungry, girl, I can't feed you,
あなたが空腹でも私はあなたを食べさせる事もできない
for my money, girl, you won't get far,
私がお金が無いために、あなたは遠くに行ってしまう
tell me about the things that excite you,
でも私はあなたを興奮させる事について話せる
that makes you tingle with delight,
そしてあなたを喜ばせる事ができる
Tell me where to hold & touch you,
どういう風にあなたを抱きしめたら良いか教えて
So you got to tell me, I'm alright.
あなたが私に聞かなくても、私は大丈夫
Alright alrïght
大丈夫 、大丈夫


以上がこの曲の大まかな歌詞です。

この曲が作られたレゲエの前身のロックステディの時代、
1960年代後半ののジャマイカというのは、まだ
レゲエがブレイクする前の時代だったので、大した産業も
なく、極貧国のひとつだったんですね。
そういう時代にこの曲は生まれたんですが、この歌詞からも
解るように多くの人は貧しい暮らしをしていたんですね、
特に黒人層はキングストンのスラム街に暮らし、貧しい
生活を強いられていました。。
そういう人達にとって、この切ない歌詞はたぶんかなりの
共感を持って受け止められたのではないでしょうか。

歌詞を読む限りはこの歌詞の主人公が好きな女性に好意を
持たれている節はあるけれど、現実は国が貧しければ
貧しいほど貧乏人は相手にされないのが現実です。
でも人として生きるには希望が必要です。
たとえ靴に穴が空いていても、服がつぎはぎだらけでも…。
現実には希望は無いかもしれませんが、歌の歌詞には
希望が必要なのです。

この60年代のロックステディの時代の貧しい男の心情を
歌った歌から、70年代のルーツ・レゲエの時代になると
レゲエはさらに言葉の威力を増して、さらに社会性を持った
攻撃的なプロテストする歌へと変貌して行きます。
ところがジャマイカが徐々に豊かになった80年代になると、
ダンスホール・レゲエの時代になりレゲエという音楽も
変貌して、70年代に持っていた攻撃性や社会性は影を潜め
歌も快楽的になっていくんですね。

そのあたりは日本も同じようなところがあって、社会に
対する歌だったフォーク・ソングは、ラヴ・ソングが中心の
ニュー・ミュージックへと変わっていくんですね。
音楽性は増したけれど歌詞が意味を喪失していく…。
それはどこの国でも豊かになれば起こる事なのかも
しれません。

この「Loving Pauper」も、ロックステディの時代の曲にも
かかわらず、レゲエの時代になっても多くの歌手に歌われて
長く愛された曲なんですね。
それはジャマイカの黒人の人達にとって、忘れられない
記憶の曲だったからだと思います。

意外と歌詞の中にある「私は大丈夫、大丈夫 、大丈夫」と
いう部分などは、のちのBob Marleyの名曲「No Woman, No Cry」
に似ているかもしれません。
一致しているのは「alright」という歌詞だけですが、発想が
近い気がするんですね。

たとえどんなに貧しくても愛する気持ちも、黒人としての
魂も忘れない、そんな思いのこもったこの曲はやはり
真の名曲だと思います。