今回はGregory Isaacsのアルバム

gregory_isaacs_01a


「Willow Tree: The Best Of Gregory Isaacs」です。

Gregory Isaacsはレゲエの歴史に欠かすことの出来ない
ヴォーカリストの一人です。
70年代のルーツ・レゲエの時代から活躍を始めた彼は、
80年代のダンスホール・レゲエの時代になっても
その人気は衰えず、「Night Nurse」や「Rumours」など
数々のヒット曲をレゲエの歴史に残しています。
その実力からDennis Brown、Sugar Minott、
Freddie McGregorと並んで「レゲエ・ヴォーカリスト
四天王」と呼ばれることもあります。
また薬物中毒で苦しんだ事でも知られています。

Gregory Isaacs (グレゴリー・アイザックス)

今回のアルバムは92年にJamaican Goldから出された
彼のベスト盤ですが、ネットで調べてみたところ
どうやら元のアルバムがあるらしく、それがGG's Records
レーベルから出された「The Best Of Gregory Isaacs」
(制作年不詳)というアルバムらしいです。
そのせいか表ジャケットの中にさらに小さく、写真は
同じで文字が「The Best Of Gregory Isaacs」となって
いるジャケットの写真があります。

全10曲で収録時間は38分44秒。

ミュージシャンについては以下の記述があります。

All Songs are written by Gregory Isaacs, except nunber 1 and 2, which are adapted
Produced and arranged by Alvin Ranglin
Recorded at Channel One studio
Recording engineer Ernest Hoo Kim and Lancelot 'Maxie' Mckenzie
Photo Maria La Yacons
Digital transfer from the originl mastertape done at GG's Studio

Drums: Sly Dunbar
Bass: Robbie Shakespeare
Guitar: Rod Bryan
Percussion: Uzziah Thompson
Organ: Ansell Collins
Hornes: Headly Bennett, Bobby Ellis
Piano: Gladstone Anderson

となっています。

やはりオリジナル・アルバムがGG's Recordsで
作られているので、プロデュースもGG's Recordsの
Alvin Ranglinが担当しています。
GG's Recordsのアルバムなので、バック・バンドは
GG's All Starsという事になるのかもしれませんが、
Channel Oneの録音でエンジニアとしてErnest Hoo Kim、
さらにはSly & Robbieも参加しているので、ほぼ
The Revolutionariesと言って良い布陣です。
この布陣や内容から考えて、録音は70年代後半ぐらい
ではないかと推測されます。

さて今回のアルバムですが、ベスト盤と呼ぶには
有名曲は「My Number One」ぐらいだし、ウリが
ちょっと弱いかなというのが正直なところです。
この人の場合アルバムを全部集めたら300種類以上
あるとまで言われている人で、ヒット曲だけでも相当な
数があり、さらにベスト盤も相当数が出回っている人
なんですよね(笑)。
そういう事を考えると、そのGregory Isaacsのベスト盤と
しては10曲入りのアルバムでは、ちょっと少ないかな
という気がしてしまいます。

ただそれはあくまでベスト盤として見た時の話であって、
このGregory Isaacsという人はひとたび彼の曲を聴けば
そんな事はどうでもよくなってしまう、それほどの
歌唱力の持ち主なんですよね。
ある意味このGregory Isaacsという人が、レゲエとか
ジャズとかいう音楽の一ジャンルと言えるほどの、
個性と説得力の持ち主なんですね(笑)。
ひとたび彼の虜になれば、それがどんなアルバムであろうと
彼のアルバムなら全て集めたくなってしまう、それ程の
魔力のある人なんですね。

そう思って聴くと、このアルバムにもいろいろな聴き
どころがあるんですね。

1曲目「Willow Tree」は、オリジナルはAlton Ellisの
名曲です。
「柳の樹よ、どうか泣かないで。僕恋人を見つけたから。」
と歌うこの歌は、恋人を見つけた喜びが切々と歌われて
います。

アルトン・エリス(Alton Ellis) - Willow Tree -1968 リリック

2曲目「Breaking Up」は、これまたAlton Ellisの名曲
「Breaking Up Is Hard To Do」です。
「別れるのは難しいことさ。」と、去って行こうとする
恋人を引き留める男の心情が歌われています。

アルトン・エリス(Alton Ellis) - Breaking Up - 1968 - リリック

そしてやっぱり最大の聴きどころは、彼の代表曲の中でも
とくに有名な6曲目「My Number One」です。
このアルバム7分13秒にも及ぶディスコ・ミックス・
ヴァージョンの曲が収められています。
ちなみにディスコ・ミックスとは前半が歌、後半が
ディージェイという2曲を1曲にまとめたような、
12インチ・シングル用に開発されたスタイルです。
今回のアルバムにはGregory Isaacsの名前しかなく、
ディスコ・ミックスであることも歌ってありませんが、
ネットで調べてみたところ、後半のディージェイは
どうやらTrinityが担当しているようです。
前半はGregory Isaacsつやのあるヴォーカルでで
しっかり聴かせて、後半はTrinityのちょっと
ユーモラスなディージェイで落とす、このアルバム
の中でも白眉の1曲です。
なぜこの曲をウリにしないのか?ちょっと不思議な
気さえします。

やっぱりこのGregory Isaacsの歌声というのは声に独特の
艶があり、すごく魅力的です。彼が70年代のルーツ・
レゲエの時代、80年代のダンスホール・レゲエの時代と
長きにわたって一線で活躍できたのは、誰にも真似の出来ない
色気のある素晴らしい声を持っていたからなんですね。
彼の存在がレゲエという音楽を、より豊かなものに変えて
いたのは間違いありません。

書いたようにベスト盤としては、少し食い足りないところが
あるのは事実です。
それでも彼の名曲を手軽に聴くという意味では、悪い
アルバムではないと思います。

機会があれば聴いてみてください。


○アーティスト: Gregory Isaacs
○アルバム: Willow Tree
○レーベル: Jamaican Gold
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: unknown

○Gregory Isaacs「Willow Tree: The Best Of Gregory Isaacs」曲目
1. Willow Tree
2. Breaking Up
3. No Speech, No Language
4. Lonely Teardrops
5. Everything Is Going Alright
6. My Number One
7. Let Me Be Your Special Guest
8. Look Before You Leap
9. If You Feeling Hot, I Will Cool You
10. Happiness

彼のベスト盤をもう1枚紹介しておきます。
VPレーベルから出ているアルバム

gregory_isaacs_02a


「The Ruler 1972-1990」です。

CD2枚にDVDまでついた豪華版で、CD1では彼のルーツ・
レゲエ時代の名曲が、CD2ではダンスホール・レゲエ時代の
名曲が、さらにはDVDでは画質が悪いですが84年の
Brixton Academyでのライヴの様子を見る事が出来ます。
Gregory Isaacsというアーティストをコッテリ楽しみたい方には、
こちらのアルバムがおススメです。