今回はCultureのアルバム

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「Harder Than The Rest」です。

Cultureは1976年にJoe Gibbs
プロデュースの曲「Two Sevens Clash」
で衝撃的なデビューを飾った3人組の
コーラス・グループです。
リード・ヴォーカルのJoseph Hill、
コーラスのAlbert WalkerとKenneth
Paleyからなる3人組のグループとして
活躍し、ルーツ・レゲエの時代には
Joe Gibbsや女性プロデューサーの
Sonia Pottingerの元に多くの素晴らしい
アルバムを残しています。

82年に二人のバック・コーラスが離れ、
以後はJoseph HillがCultureを名乗る
ようになります。
その後も一人で活躍を続けましたが、
2006年に亡くなっています。

アーティスト特集 Culture (カルチャー)

Culture (band) - Wikipedia

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Culture ‎– Two Sevens Clash (1977)

今回のアルバムは1978年にジャマイカ
の女性プロデューサーSonia Pottinger の
レーベルHigh Noteからリリースされた、
彼らの2枚目か3枚目ぐらいにあたる
アルバムです。

Joe Gibbsの元で衝撃的なデビューを
飾った彼らでしたが、もう1枚
「Baldhead Bridge」というアルバムを
残しただけでJoe Gibbsの元を離れ、
翌年のこの77年には女性プロデューサー
のSonia Pottingerの元でこのアルバムを
制作しています。
この時期がCultureというグループに一番
勢いのあった頃のようで、彼ららしい
Joseph Hillの濃度の濃いヴォーカルを
生かした、ルーツらしい楽曲が並んでいま
す。

手に入れたのはUKのVerginからリリース
されたCDでした。

全10曲で収録時間は40分04秒。

ミュージシャンについては以下の記述が
あります。

Recording and mixing engineer: Errol Brown
Recorded and re-mixed at Treasure Isle Recording Studio
Produced by: S.E. Pottinger

Musicians:
Bass: Robbie Shakespeare
Piano and Organ: Ansel Collins, Wire Lindo
Guitars: Ranchie, Willie Lindo
Drums: Sly Dunbar
Percussion: Sticky
Trumpet: David Madden
Trombone: Vin Gordon
Alto Sax: Cedric 'Im' Brooks
Tenor Sax: Felix 'Deadly' Headley

Lead Vocals: Joseph Hill
Harmony: Kenneth Paley, Albert Walker

となっています。

レコーディングとミックスはジャマイカ
のTreasure Isle Recording Studioで
行われ、レコーディングとミックスの
エンジニアはErrol Brownが担当し、
プロデュースはS.E. Pottingerとなって
います。

ミュージシャンはベースにRobbie
Shakespeare、ピアノとオルガンにAnsel
CollinsとWire Lindo、ギターにRanchie
とWillie Lindo、ドラムにSly Dunbar、
パーカッションにSticky、トランペットに
David Madden、トロンボーンにVin Gordon、
アルト・サックスにCedric 'Im' Brooks、
テナー・サックスにFelix 'Deadly'
Headleyという布陣です。

Cultureのメンバーはリード・ヴォーカル
にJoseph Hill、ハーモニーにKenneth
PaleyとAlbert Walkerとなっています。

女性プロデューサーのSonia Pottinger
ですが、今回のアルバムの他にも79年に
「Cumbolo」と「International Herb」と
いうCultureの代表作の2枚のアルバムを
High Noteでプロデュースしています。

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Culture – Cumbolo (1979)

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Culture – International Herb (1979)

いわばCultureというグループを育てた
プロデューサーなんですね。

さて今回のアルバムですが、一番充実して
いた時代のCultureの楽曲が収められた
アルバムで、内容は悪くないと思います。

このCultureの魅力はやはりJoseph Hill
のいかにもルーツ・レゲエらしい、泥臭い
ヴォーカル・スタイルにあります。
その節回しが巧みな「Culture節」とでも
いうようなヴォーカルにコーラス・ワーク
が絡むと、他では味わえない魅力的な
レゲエ・ミュージックになるんですね。
やはりこのグループのもっとも輝いていた
時代は、この3人が揃っていた70年代
後半から、コーラスの2人が脱退するまで
の時期と言えるでしょう。

このルーツ・レゲエの時代にはこうした
男性コーラス・グループが多く誕生して
いますが、それがこの時代のルーツという
音楽のひとつの魅力になっていた側面は
否定出来ません。
男性コーラスって独特の説得力があるん
ですよね。

もともとジャマイカの音楽は、スカ→
ロックステディ→レゲエと発展して来た
歴史がありますが、スカはアメリカの
ブルースやソウルの影響を受けて作られた
音楽なんですね。
そのソウルはコーラス・グループの多い
ジャンルです。
その影響からかスカやロックステディの
時代には、ジャマイカではコーラス・
グループが多く作られているんですね。
あのBob Marleyの居たThe Wailersも、
そのスタートはスカの時代にPeter Tosh
とBunny Wailerと組んだコーラス・
グループだったんですね。
そのコーラス・グループだったオリジナル
のThe Wailersは、レゲエ・グループと
してメジャー・デビューした73年頃まで
続いています。
今ではのちのBob Marley & The Wailersの
イメージも強いので、あまりコーラス・
グループと思われていませんが、実は
コーラス・グループとしてのThe Wailers
の方が歴史が長いんですね。

そうしたジャマイカの歴史の中から生まれ
て来たコーラス・グループのひとつが、
このCultureだったんですね。

今回のアルバムでも1曲目の「Behold」
から、その独特の「Culture節」がさく裂
しています。
特に3曲目「Stop The Fussing And
Fighting」は、彼らの代表曲のひとつで、
あの有名な「ワン・ラブ・ピース・
コンサート」で歌われた曲としても知ら
れています。
Errol Brownのミックスは、全体にホーン
やリリカルなピアノなどで華やかさを演出
していますが、Joe GibbsでのErrol
Thompsonのミックスほどポップな感覚の
ミックスではなく、Joseph Hillの個性の
強いヴォーカルを生かしたルーツ・レゲエ
らしいミックスで、とても聴き心地が良く
好感が持てます。

1曲目は「Behold」です。
華やかなホーン・セクションの奏でる
メロディから、心地良いパーカッションの
リズム、Joseph Hillの語りかけるような
ヴォーカル…。

CULTURE - Behold


2曲目は「Holy Mount Zion」です。
ユッタリとした浮遊感のあるギターと
ホーン・セクションのメロディに、アクの
強いJoseph Hillのヴォーカル…。
この時代特有のスモーキーな1曲。

Culture,Holy Mount Zion.


3曲目は「Stop The Fussing And
Fighting」です。
ゆったりしたギターとキーボード、ベース
のメロディに、ファルセットなコーラス、
Joseph Hillらしい個性的なヴォーカル…。

CULTURE//STOP THE FUSSING AND FIGHTING


4曲目は「Iron Sharpen Iron」です。
浮遊感のあるキーボードのメロディに、
コーラスに乗せたJoseph Hillの
ヴォーカル…。

5曲目は「Vacancy」です。
目覚まし時計のようなエフェクト、
キーボーとホーン、ギターのメロディ、
流ちょうなJoseph Hillのヴォーカルに
コーラス。

6曲目は「Tell Me Where You Get It」
です。
ホーン・セクションとギターのメロディ
に、語るようなJoseph Hillのヴォーカル
がとても心地良い曲です。

CULTURE - Tell me where you get it


7曲目は「Free Again」です。
ホーン・セクションとギターのメロディ、
コーラス・ワークに乗せたJoseph Hillの
ヴォーカル…。

8曲目は「Work On Natty」です。
心地良いキーボードのメロディに
ファルセットなコーラス、Joseph Hillの
心地良さそうな節回し…。

Culture,Work On Natty.


9曲目は「Love Shine Bright」です。
明るいホーン・セクションのメロディ
から、コーラスに乗せたJoseph Hillの
明るく力強いヴォーカル。

10曲目は「Play Skilfully」です。
ギターのメロディに、心地良い
パーカッション、Joseph Hillのちょっと
脱力したヴォーカル…。

Culture- Play Skillfully


ざっと追いかけてきましたが、この時代に
活躍したCultureらしい楽曲が多く収め
られたアルバムで、ルーツ・レゲエ好き
なら押さえておきたいアルバムのひとつ
だと思います。

機会があれば聴いてみてください。


○アーティスト: Culture
○アルバム: Harder Than The Rest
○レーベル: Vergin
○フォーマット: CD
○オリジナル・アルバム制作年: 1978

○Culture「Harder Than The Rest」曲目
1. Behold
2. Holy Mount Zion
3. Stop The Fussing And Fighting
4. Iron Sharpen Iron
5. Vacancy
6. Tell Me Where You Get It
7. Free Again
8. Work On Natty
9. Love Shine Bright
10. Play Skilfully

〈2018年04月09日修正〉

●今までアップしたCulture関連の記事
〇Culture & The Deejay's「At Joe Gibbs 1977-79」
〇Culture「Africa Stand Alone」
〇Culture「Baldhead Bridge」
〇Culture「Cumbolo」
〇Culture「Good Things」
〇Culture「International Herb」
〇Culture「Two Sevens Clash」
〇Various「Different Fashion: The High Note Dancehall Collection」